食べられるツバメの巣と、食べられないツバメの巣があります。
というより、そもそも別の鳥です。
日本のツバメの巣は、泥です。
春に家の軒先へ来るツバメ。スズメ目ツバメ科のツバメ(Hirundo rustica)です。
あの巣は、泥と枯れ草を唾液で固めたものです。だから茶色く、ざらざらしています。
食べられません。栄養にもなりません。
食用になるのは、アナツバメです。
食用の燕の巣をつくるのは、アマツバメ目アマツバメ科のアナツバメ(Aerodramus 属)です。
名前に「ツバメ」と付きますが、日本のツバメとは目のレベルで違います。人間とサルくらい離れている、と言うと大げさですが、それに近い距離感です。
アナツバメの巣は、泥も枯れ草も使いません。だから半透明で、水に戻すとほぐれます。
FROM THE LITERATURE
2つのちがい
- 分類… ツバメ=スズメ目ツバメ科/アナツバメ=アマツバメ目アマツバメ科
- 巣の材料… ツバメ=泥と枯れ草+唾液/アナツバメ=唾液が主体
- 営巣場所… ツバメ=人家の軒先など/アナツバメ=洞窟や建物の暗い内部
- 分布… ツバメ=日本を含む広範囲/アナツバメ=東南アジアを中心とした熱帯
なぜ、同じ名前が付いているのか。
見た目が似ているからです。
細長い翼で、素早く飛び、空中で虫を捕る。この暮らし方が同じなので、体つきも似てきました。
生物の世界では、系統が遠いのに姿が似ることがあります。同じような暮らし方をすると、同じような形になるからです。
日本語で両方を「ツバメ」と呼んでいるのは、そのためです。英語でも swallow(ツバメ)と swiftlet(アナツバメ)で、綴りが似ています。
では、日本のツバメの巣を食べてはいけないのですか。
食べられません。泥だからです。
SOURCES
- Nurul Hidayah Jamaludin ほか「Overview of edible bird’s nests and their contemporary issues」Food Control, vol.104, 2019. DOI: 10.1016/j.foodcont.2019.04.042(分類。編集部が原著を確認)
DISCLOSURE
この記事について
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。同社は燕の巣を扱う事業者であり、中立な第三者ではありません。
だからこそ、自社や業界に都合のいい説明であっても、根拠を確かめられないものは、確かめられないものとして扱います。
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