広告の仕事を15年。そのあと不動産の開発に移り、そこから燕の巣ビジネスに移った人が、GLYKENの創業者エリック・シャック氏です。
なぜ、と聞くところから取材は始まりました。
最初の計画は「10棟買う」だけだった
当初の計画は、拍子抜けするほど単純でした。マレーシア中でバードハウスを10棟買う。それだけ。
ところが、探しても見つからなかった。
FACT
国から認められた合法なバードハウスが、マレーシア中を探しても一棟も見つからなかった。
出典:エリック・シャック氏への取材。2026年3月、マレーシア。
市場にあるものの多くは無認可だった。100年、200年と次の世代に遺す事業にするなら、合法でなければ意味がない。「売っていないなら、自分で建てるしかない」。そこから話が変わっていきます。
底なしの湿地帯から
燕が集まる豊かな森は、人が住みやすい土地であれば、とうに街になっている。だから残っていたのは、人が嫌がる湿地帯だけでした。
サバ州のその土地は、一面が泥水で、人が1分といられないような場所だったといいます。3か月の音響調査を経て、その上空が数万羽の燕の集まる場所だと分かった。
建設中、パワーショベルが泥に沈んで動かなくなったこともあった。屋根が完成する前から、燕が周りを飛び回り始めた。
10年、収入ゼロ
研究にかけた期間について、本人はこう言いました。
FACT
研究費と原材料費と人件費だけが出ていく期間が、およそ10年続いた。
出典:エリック・シャック氏への取材。2026年3月、マレーシア。
「50棟のクラスターなど不可能だ」と、業界の全員に反対されたそうです。当時の確信は30%だったといいます。
なぜ、大学や政府機関と組むのか
この人の話でいちばん印象に残ったのは、事業の苦労話ではありませんでした。第三者機関と組む理由について語ったところです。
FACT
「経営者が自分の口で『うちのものは最高だ』と何万回叫んでも、それはマーケティングの主張にすぎない。」
出典:エリック・シャック氏への取材。2026年3月、マレーシア。
大学も、国の認証機関も、非営利の存在です。金を積んだところで、都合のいいデータは出してくれない。だからこそ、そこが「合格だ」と言ったことに意味がある。
この考え方は、ツバメディアが自分に課しているものとほとんど同じです。自分で自分を良いと言っても、何も足りない。
Malice to none
取材の終わりに、大切にしている言葉を聞きました。
「Malice to none ── 誰に対しても、悪意を持たない。」
同じ言葉を、別の日にBioeconomy Corporationのファイザル氏からも聞きました。
WHAT WE DON’T KNOW YET
まだ分かっていないこと
- ここに書いたのは、ご本人が語られた来歴です。第三者による事実確認は行っていません。
- GLYKENの事業内容や研究の成果については、本記事では扱いません。公表された資料にもとづく記述は、別の記事にまとめています。
この記事について
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。同社は燕の巣を扱う事業者であり、中立な第三者ではありません。同社はマレーシアのGLYKEN社のツバメの巣を原料とする製品を日本で販売しており、記事内で紹介した機関とも関係があります。記事のなかで商品を販売することはありません。研究の説明は、原著論文に書かれている範囲を超えないようにしています。
SOURCES
- エリック・シャック氏(GLYKEN 創業者)への取材。2026年3月、マレーシア。掲載許諾取得済。
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