燕の巣の商品説明には、いろいろな認証の名前が並びます。ただ、その制度が何を決めているのかは、名前を見ても分かりません。調べてみると、各国の規格が定めているのは、ほとんどが「入っていてはいけないものの上限」でした。ここでは、確認できた規格と認定を、番号と数値のまま並べます。
HOW WE WROTE THIS
このページの決めごと
- 規格番号と数値は、査読論文または公表資料で確認できたものだけを書きます
- その制度が「何を決めていないか」も書きます
- どの会社が何の認証を持っているかは、このページには書きません。一件ずつ一次資料で確認できていないからです
- 認証の有無を、品質の優劣として扱いません
制度が決めているのは、上限です
亜硝酸
マレーシア・インドネシア・中国のいずれも、上限は30 ppm以下で一致しています(Yeo ほか 2021)。産地による実測値の違いは洞窟の燕の巣は、本当に安全なのか。― 重金属と、亜硝酸のこと。で扱いました。
重金属
マレーシアと中国は、鉛2/ヒ素1/水銀0.05/カドミウム1 ppm以下を定めています。マレーシアはさらに銅1/鉄0.3 ppm以下も定めています。インドネシアには重金属の規定がありません(Yeo ほか 2021)。
微生物
総菌数の上限は、マレーシアが2.5×10⁶、インドネシアと中国が1×10⁶ cfu/g以下です(Yeo ほか 2021)。
マレーシアの規格(MS)
MS 2334:2011
燕の巣の製品についての規格です。亜硝酸の上限30 ppm以下、重金属の上限をここで定めています。
MS 2273:2012
燕の巣の養殖――つまりバードハウスでの生産についての規格です。
MS 2333:2010
加工場についての規格です。
MS 2509:2012
亜硝酸・硝酸の試験方法についての規格です。上限を決める規格とは別に、どう測るかを決める規格があります。数値を比べるときは、どの試験法で測ったのかが問題になります。
中国の規格
CAIQ-RZ-2015002
中国の規格です。亜硝酸の上限は30 ppm以下。重金属についてもマレーシアと同じ水準を定めています(Yeo ほか 2021)。
インドネシア
亜硝酸の上限30 ppm以下と、微生物の上限は定められています。ただし重金属の規定がありません(Yeo ほか 2021)。インドネシアの44棟のバードハウスを調べた研究では、洗浄の前後で重金属の測定値が下がっています(Wahyuni ほか 2022)。規定がないことと、測られていないことは別の話です。
企業に対する認定
BioNexus ステータス
マレーシアの財務省が授与し、マレーシア・バイオエコノミー開発公社が監査する企業への認定です。審査項目は、技術を自社で保有しているか、研究が検証されているか、投資額、研究体制、事業化の状況、提携先。
素材そのものの効果を国が保証する制度ではありません。「認定を受けた企業がつくっている」ことと「その成分に何かの働きがある」ことは、別のことです。制度の詳しい成り立ちは記事に出てくる機関のことに書きました。
食品衛生の管理手法
HACCP
食品の製造工程で危害を分析し、重要な管理点を決めて監視する手法です。燕の巣に固有の規格ではなく、食品全般に使われる考え方です。
どの基準にも、無いもの
シアル酸の含量要件
ここまでに挙げたどの規格にも、「シアル酸を何%以上含むこと」という要件はありません(Yeo ほか 2021)。制度が決めているのは入っていてはいけないものの上限であって、入っているべきものの下限ではありません。ですから「シアル酸が多いほど良い」という言い方に、規格上の裏づけはありません。測り方で数字の桁が変わることは燕の巣の用語集にまとめています。
等級(グレード)
等級の表記についても、各国の規格が定めているものは確認できていません。等級が何を見ていて、何を見ていないのかは等級は、見た目を見ている。工程は、見ていない。で扱いました。
WHAT WE DON’T KNOW YET
まだ分かっていないこと
- 日本国内での扱い。燕の巣が食品衛生法の輸入届出でどう扱われるか、私たちはまだ一次資料で確認できていません
- 動物検疫について。農林水産省・動物検疫所が公開している指定検疫物の一覧に「鳥類の巣」は列挙されていませんが、だから検疫が不要だとは言えません。実際の扱いは品目と加工状態で判断されるためです。一覧に列挙されていない、という事実までしか確認できていません
- CITES(絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約)該当性。一次資料に到達できていません
- タイ・ベトナムの規格
- 各規格の最新の改訂状況。ここに挙げた版より新しいものがあるかどうかを追えていません
DISCLOSURE
このページについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。同社は燕の巣を扱う事業者であり、中立な第三者ではありません。他社商品との比較や優劣の判定は行いません。
ここに挙げた規格番号と数値は、公開されている学術論文と各機関の公表資料からの引用です。当社の製品や設備を測ったものではありません。また、当社および取引先が保有する認証について、このページでは触れていません。一件ずつ一次資料で確認したうえで、別のページに書きます。
SOURCES
- Yeo B-H, Tang T-K, Wong S-F, Tan C-P, Wang Y, Cheong L-Z, Lai O-M. Potential Residual Contaminants in Edible Bird’s Nest. Frontiers in Pharmacology. 2021;12:631136. doi:10.3389/fphar.2021.631136
- Wahyuni S, Salim MN, Aliza D, Sabri M, Rahmi E, Hambal M. An investigation of heavy metals in edible bird’s nest from Indonesia. Veterinary World. 2022;15(2):509-516. doi:10.14202/vetworld.2022.509-516
- Malaysian Bioeconomy Development Corporation 公式サイト(BioNexus ステータスの審査・監査の仕組み)
- 農林水産省 動物検疫所「指定検疫物」一覧(鳥類の巣が列挙されていないことの確認)