ORIGIN
この記事の出どころ
この記事は、2025年6月7日に配信したメールマガジンをもとに、ツバメディア編集部が再構成したものです。公開日は配信日に合わせています。
この回については、出どころをもう少し詳しく書いておきます。ここに書かれている出来事は、2025年6月2日のことです。時 昴は出張直後の2025年6月7日にこの話を配信し、その約10か月後、2026年4月28日に「ちょうど一年前を回想しながら」と前置きして、同じ話をあらためて配信しています。ツバメディアは、連載の時系列が読者に伝わるように、公開日を最初の配信日に合わせています。
メールマガジンにあった挨拶、告知、書籍やSNSの紹介、商品の案内、および取引先の個人名は落としてあります。そして、当時の私の理解が、いまの編集部の理解と食い違っている箇所には、編集部注を入れました。直さずに残し、あとから注を付ける形にしています。
2025年6月2日。滋賀・大津を出て、14時に京都駅へ。いつも通りバスで関空へ向かうつもりが、京都駅の出口を間違えてバスに乗れませんでした。慌てて電車に切り替えて、なんとか間に合いました。
関西空港から19時発、シンガポール着は翌日の午前1時。この時間帯のフライトは、いつも博打です。
寝られたら天国。寝られなかったら地獄。
その日は、見事に地獄でした。眠気がまったく来ない。仕方なく本を開いたら、どんどん冴えてくる。読み終えるまで、そのまま夜が明けました。
エジソンではなく、その隣にいた人の話。
読んでいたのは『巨富を築く思考法 THINK AND GROW RICH』という自己啓発の古典で、その冒頭に、エジソンと、その事業パートナーだったエドウィン・C・バーンズという人の話が出てきます。
面白いのは、バーンズが最初から有能な販売者だったわけではない、というところです。エジソンに会いに行くとき、電車賃さえなかった。貨物列車に紛れ込んで行った。最初に会ったときは、浮浪者のような格好だったと書かれています。
そこから彼は、製造はエジソン、販売はバーンズ、と全米で並べて呼ばれるところまで行く。
徹夜明けの、まぶたと脳がヒリヒリする頭で、私はこう思いました。
私はエジソンにはなれない。
でも、バーンズのようにはなれるかもしれない。
スペシャリストが研究したもの。スペシャリストが作ったもの。それを伝える役割として生きていく。これが自分の道だな、と。
この燕の巣の仕事も、まさにそれでした。
だから「ナビゲーター」なんです。
ツバメディアで私の肩書は、燕の巣ナビゲーターです。研究者ではありません。専門家として答えを出す立場でもありません。
マレーシアの研究室にいるのは、私ではない。バードハウスを設計したのも、私ではない。工場でピンセットを持っているのも、私ではない。
私がやるのは、そこへ行くこと。見ること。聞くこと。そして、日本にいる方に伝えること。
この役割を、私は空港へ向かう夜の飛行機の中で、はっきり言葉にできました。
ちなみに、この考え方は、あとでエリックさんの言葉とぴったり重なります。「私は研究者。あなたは、伝える人だ」。彼にそう言われたとき、私は本当に泣きました。その話は、また別の回で。
そして、旅は最初からうまくいっていません。
正直に書いておきます。この出張、初日から失敗しています。
滋賀の大津を出て、いつものように京都駅からバスで関空へ向かうつもりでした。考え事をしていたのか、駅の出口を間違えてバスに乗れませんでした。あわてて電車に切り替えて、なんとか間に合いました。
空港に着いてからも、予約したはずのラウンジで「お客様はトランジットではないのでご利用できません」と断られ、結局、空いている椅子で仮眠をとりました。
この連載では、こういうところも書きます。現地で見たことだけでなく、うまくいかなかったことも。編集部の記事は、確かめたことだけを根拠つきで書きます。ここは、そうではない場所です。
EDITORIAL NOTE
編集部注
この回は、時 昴が2025年6月7日に配信したメールマガジンをもとにしています。内容は、時 昴個人の体験と、そのときに考えたことです。燕の巣という素材についての事実関係は、この回では扱っていません。
素材そのものについては、編集部の記事をご覧ください。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。このコラムに登場するGLYKEN社は、当社の取引先です。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。
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