扉を開けると、ツバメがいました。巣があって、卵がありました。
前編では、飛行機が飛ばない話を書きました。関西を出られず、台北を経由して、ようやくジョホールバルに着いたところまでです。
ここからが、今回の本題です。
スナイ空港で、全員そろう
空港で迎えてくれたのは、GLYKENのエリック・シャックさんでした。羽田からシンガポールを経由して先に入っていた一行とも、ここで合流しました。
そのままバスに乗り込みます。目指すのは、ジョホールバルから東へ、海沿いのデサルというエリアです。
街が消えて、緑が増えていく
走っているうちに、景色が変わっていきます。建物が減り、車が減り、緑が増えていく。今回訪ねたバードハウスは、周囲に自然が残された場所にありました。
私たちが普段目にする燕の巣は、加工されて、袋や箱に入った状態のものです。でもその上流には、鳥が飛んで、暮らして、巣をつくる環境そのものがあります。今回いちばん見たかったのは、そこでした。

扉を開けると、ツバメがいた
外から見ただけでは、中がどうなっているのか分かりません。扉を開けて、中に入ります。
薄暗い建物のなかに、たくさんのアナツバメがいました。壁面には、実際につくられた巣。よく見ると、卵が入っているものもあります。
同行した方々からも、声が上がっていました。商品としての燕の巣しか知らなければ、それが一羽の鳥のつくったものだということは、頭では分かっていても実感しにくい。でもここでは、目の前に鳥がいて、巣があって、卵がある。知識としてではなく、その場のこととして入ってきます。
自分の手で、巣を採る
今回は、実際に自分の手で巣を採る体験もさせてもらいました。
採ってよい状態の巣を、現地の管理のもとで採らせてもらう、という形です。卵やヒナのある巣には手をつけません。ここは大事なところなので、はっきり書いておきます。いつ採るかという判断は、アナツバメと人との関係を左右する部分です。その話は燕の巣を採っても、アナツバメは大丈夫なのですか。に書きました。
ひとつの巣を、自分の手で採る。完成した商品としてしか出会わないものに、その出発点で触れる。写真や動画では届かない感覚がありました。
同じ「燕の巣」でも、どこで採れたかは同じではない
道中、市街地に近い場所にも、燕舎らしき建物をいくつも見かけました。
ただ、どの建物がどういう登録や許可のもとにあるのかを、私は確認していません。だからここでは、そういう建物を見た、以上のことは書きません。
確かなことがあるとすれば、同じ「燕の巣」と呼ばれていても、どこで、どんな環境で採れたものかは同じではない、ということです。産地によって測定値が分かれることは同じ「燕の巣」でも、測ると値が違います。に、制度が何を定めていて何を定めていないかは認証と規格の一覧に、それぞれまとめてあります。
工程は、完成品からさかのぼれない
午後はジョホールバルに戻り、GLYKENの拠点へ。燕の巣とは何か、いま何が分かっているのか、という話を聞きました。参加した方々は、移動で疲れているはずなのに完全に前のめりでした。質問が出て、また質問が出る。
そのあと、製造の現場も見せてもらいました。どの工程を、どういう理由でそうしているのか。一つずつ説明してもらいました。
ここで、はっきりさせておきたいことがあります。ツバメディアは、他社の商品と比べて優劣を判定することはしません。だから「どこが一番いい」という書き方はしません。そのかわりに書けるのは、工程というものは完成した巣を見ても分からない、ということです。何時間つけ置いたのか。何度の湯を使ったのか。完成品の外観には、ほとんど出てきません。だから、そのときに記録するしかない。その話は等級は、見た目を見ている。工程は、見ていない。と燕の巣は、洗ってあるのですか。に書きました。
書けなかったこと
研究の話も、開発中の素材の話も聞きました。ただ、どこまで公開していいかが決まっていないので、ここには書きません。公開できる範囲が固まったら、編集部の記事として扱います。
成分の働きや体感についても書きません。燕の巣は食品であって、医薬品ではないからです。今回いちばん強く思ったのは、むしろ逆のことでした。この素材には、まだ分かっていないことがたくさんある。
WHAT WE DON’T KNOW YET
- 道中で見かけた燕舎について、どの建物がどういう登録・許可のもとにあるのかを、私は確認していません
- 現地で聞いた話のうち、一次資料で裏が取れていないものは、編集部の記事には使いません
- 研究や開発中の素材については、公開できる範囲が定まっていないため、この記事では扱っていません
この記事で確かめられていないこと
また、行きます
今回も弾丸でした。空港、車、会社、工場、バードハウス、そしてまた空港。マレーシアには何度も来ていますが、観光らしい観光をした記憶がほとんどありません。
それでも、現場に行ったから分かったこと、人に会ったから聞けたことが、確かにありました。調べれば何でも出てくる時代で、AIに聞けば答えらしいものが返ってくる時代です。だからこそ、自分の足で行って、自分の目で見ることの価値は、むしろ上がっていると思います。
ツバメディアを、誰かから聞いた話を右から左へ流す媒体にはしたくありません。自分たちで行って、自分たちで確かめたことを書く。今回の取材は、その一歩です。
この原稿は、クアラルンプールの空港ラウンジで書いています。これから深夜の便で帰ります。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。このコラムに登場するGLYKEN社は、当社の取引先です。
だからこそ、このコラムは「取材記事」としては書きません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。他社商品との比較や優劣の判定も行いません。
掲載にあたっては、ご本人から許諾をいただいています。
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