ORIGIN
この記事の出どころ
この記事は、2026年5月5日に配信したメールマガジンをもとに、ツバメディア編集部が再構成したものです。公開日は配信日に合わせています。
メールマガジンにあった挨拶、告知、書籍やSNSの紹介、商品の案内、および取引先の個人名は落としてあります。そして、当時の私の理解が、いまの編集部の理解と食い違っている箇所には、編集部注を入れました。直さずに残し、あとから注を付ける形にしています。
マレーシアの渡航中、エリックさんから、ある譬え話を教わりました。魚と、透明なガラスの話です。
大きな魚は、食べられないのではなく、食べようとしなくなる。
大きな水槽に、大きな魚と小さな魚を入れる。本来なら、大きな魚は小さな魚を食べます。
でも、その間に透明なガラスの仕切りを置く。
最初、大きな魚は何度も突進します。本能のままに、何度も向かっていく。そのたびにガラスにぶつかる。届かない。
それを繰り返すうちに、大きな魚は学習します。「あの小さい魚は、食べられない存在なんだ」と。
怖いのは、ここからです。
その後、ガラスを外します。もう仕切りはありません。能力はある。環境も整っている。目の前に可能性もある。
それなのに、大きな魚は、もう追いかけることすらしなくなる。
食べられないのではありません。食べようとしなくなるのです。
人間も、同じです。
一度失敗した挑戦。一度否定されたアイデア。一度届かなかった夢。
その記憶が、いつの間にか心のなかに透明なガラスを作ってしまう。
本当はもう進めるのに。本当はもう届くのに。本当はもう環境が変わっているのに。
「自分には無理だ」「この領域は難しい」「前もダメだったから」
そうやって、自分で自分の可能性を止めてしまう。
でも、それは本当に壁でしょうか。過去にぶつかったガラスの記憶に、いまも支配されているだけではないでしょうか。
エリックさんは、過去を、未来の判断基準にしない。
エリックさんは、常に挑戦してきた方です。不動産の仕事をしていた時期の逆境。バードハウスをつくるときの逆境。数えきれないほどの困難。
普通なら、途中で止まると思います。過去の失敗を振り返って、現実の厳しさを見て、「今は難しい」と判断してしまう。
でもエリックさんは違います。
できなかった理由ではなく、どうすればできるのか。失敗した過去ではなく、可能性の未来。そこだけを見ています。
「あなたは絶対にできる」と言われて。
今回、そのエリックさんが、私にこう言ってくださいました。
「あなたは絶対にできる。」
まず、感謝でした。そして同時に、この1年の歩みに対する反省でした。
私はできるんだ。可能性に蓋をしていただけだった。
自分で自分を信じることは大切です。でも人間には、自分ではまだ見えていない可能性があります。自分では気づけない器がある。
その可能性を、誰かが先に信じてくれる。そして、その信頼を、自分自身も信じられる。
私はここが、人生の大きな分岐点だと思っています。
他信を、自信に変えること。
自分を信じてくれる人の言葉を、ただの励ましで終わらせない。その人が見てくれている未来を、自分のなかに取り込む。血肉にする。そして、覚悟に変える。
そうした瞬間に、人はもう一度、動き出せるのだと思います。
人は、人によって傷つくこともあります。でも、人は、人によってもう一度立ち上がることもできる。人は人によって磨かれる。
中村天風さんの言葉に、こういうものがあります。「人は環境によって変わる。その最たるものは人間関係である」
こどもの日に書いたので、ひとつだけ。
この回を配信したのは、5月5日でした。
子どもたちは、最初から限界を持っていません。「できない」という前提を持っていない。だから走る。転ぶ。また立つ。また挑む。
一方で私たち大人は、経験を重ねるほどに、できない理由を増やしてしまう。
だから今日という日は、子どもの可能性を願うだけでなく、私たち大人も、もう一度自分の可能性を取り戻す日であっていいと思うのです。
最後に、ひとつの問いです。
あなたがいま足を止めているその場所は、本当に壁でしょうか。
それとも、過去の記憶が作り出した、透明なガラスでしょうか。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。
この記事に登場するGLYKEN社は、当社の取引先です。
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