ORIGIN
この記事の出どころ
この記事は、2025年6月10日に配信したメールマガジンをもとに、ツバメディア編集部が再構成したものです。公開日は配信日に合わせています。
この回については、出どころをもう少し詳しく書いておきます。ここに書かれている出来事は、2025年6月5日のことです。時 昴は出張直後の2025年6月10日にこの話を配信し、その約10か月後、2026年5月1日に「ちょうど一年前を回想しながら」と前置きして、同じ話をあらためて配信しています。ツバメディアは、連載の時系列が読者に伝わるように、公開日を最初の配信日に合わせています。
メールマガジンにあった挨拶、告知、書籍やSNSの紹介、商品の案内、および取引先の個人名は落としてあります。そして、当時の私の理解が、いまの編集部の理解と食い違っている箇所には、編集部注を入れました。直さずに残し、あとから注を付ける形にしています。
この日は、朝4時50分にジョホールバルを出て、首都クアラルンプールへ向かいました。
前夜のインド料理のスパイスが、まだ胃袋に残っています。
この日に見たもののなかで、いまでもいちばん重く残っているのは、政府機関ではありませんでした。美容の展示会で、たまたま話しかけた人との会話です。
順に書きます。
まず、政府系機関へ。
着いて早々に訪ねたのが、マレーシアの国家バイオ戦略を担う政府系機関、Bioeconomy Corporation です。
GLYKEN社が「BioNexus認定企業」として認定されるにあたり、審査と評価を行っている組織だと聞きました。
担当の方は、ファイザルさん。以前、滋賀と大阪でもご一緒させていただいた方です。
この制度が実際に何を審査しているのかは、あとで編集部がご本人に改めて取材しました。→「BioNexusという認定は、いったい何を審査しているのか。」(10月2日公開予定)
そして、展示会で。
午後は、クアラルンプールの美容の展示会を視察しました。
あるブースが、カタカナやひらがなで商品説明を出していたので、日系企業かなと思って声をかけました。スタッフの男性が、とても流暢な日本語を話される方でした。
話し込んでいるうちに、私が燕の巣の原料の視察に来ているという話になりました。すると。
男性「私も燕の巣やってるよ。安くできるよ。」
私は聞きました。「洞窟で採っているんですか?」
男性「洞窟? そんなとこは行かないよ。空き家でやるんだよ。この場所から5kmぐらいのところにマンションがあって、そこにツバメが巣を作っている。」
「バードハウスですか?」と聞くと、こう返ってきました。
男性「洞窟は危ないし、間違ったら人に殺されるかもしれない。バードハウスは、莫大な初期投資が必要だからできないよ。ただ、空き家になったマンションを改築してバードハウスにしているのは結構いるから、そこのものが多く流通しているかな。私は、マンションの1室でやってるけどね。」
私は、安全性や認証について聞きました。
男性「そんなのはうまくできるよ。あまり誰も認証とか気にしてないから。中国方面に売れば莫大な金額を得られるから、ツバメを呼ぶことができれば一攫千金になるよ。」
私はこう答えて、その場を離れました。
「なるほどですね。ただ、私は安全性の部分を大事にしたいので、遠慮しておきますね。」
男性「OK! もし価格で困ったら、いつでも連絡ください。」
これが、実態でした。
売れてしまうんですよね。需給のバランスから考えれば、当然そうなるのでしょう。
この会話は、私が燕の巣について読んだどんな資料よりも、市場の姿を正確に教えてくれました。
「バードハウス産」という言葉は、品質を保証する言葉ではない。この人が売っているものも、分類上は「バードハウス産」になります。
編集部の記事に「バードハウス産という言葉は、品質保証マークではありません」と書いてあります(こちらの06節です)。あれは、この日の会話が元になっています。
EDITORIAL NOTE
編集部注
この会話について、3つ、はっきりさせておきます。
①これは私が一度、立ち話で聞いた話です。編集部が裏を取ったものではありません。この方が本当にそうしているのか、市場でどれくらいの割合を占めるのかも、確認できていません。
「時さんですよね」と、マレーシアで声をかけられる。
展示会を歩いていたら、日本人の女性に声をかけられました。
女性「あれ? 時さんですよね。」
え。ここマレーシアですけど。
正直に書きます。私は、どなたか分かりませんでした。これがいちばん困る瞬間です。
女性「一度、工場見学にも行ったことがあります。」
ええええ。ほんとに、すみません。覚えていなくて、悔しい。
お子さんをマレーシアの学校に通わせているそうです。もっとお話を聞きたかったのですが、時間がなく、連絡先を交換させていただきました。
この感動を、どうしても共有したくて、同行のスタッフに言いました。
時「ちょっと! さっき、時さんですかって声かけられたんですけど!(鼻息荒め)」
スタッフ「あ、そうなんですか?」
……そのリアクション、合ってます?
スタッフ「まあ、でも今後そういったことも増えてくるんじゃないですか。それより、遅れますので急いでください。」
はい。
やり場がなくて、GLYKENのスタッフさんにも言いました。
「いや、さっき実は、時さんですかって声かけられたんですよね!」
「Oh, I see.」
君たちは、感情というものをどこかに置いてきたのかね。
そして、3,000円のホテル。
翌朝が早い便なので、空港近くにホテルを取りました。3,000円です。
めちゃラッキーだと思いました。写真も綺麗でした。
もう、結論はお分かりですよね。
写真と、まったく違いました。
エリックさんの言葉が身に沁みます。「SUBARU、QOLだよ。」
いやぁ、本当に、辛い。一瞬で爆睡しましたが。
EDITORIAL NOTE
編集部注
この回の原文には、他にも掲載していない箇所があります。
・展示会で聞いた、日本製品と他国の製品を比べる評価。一個人の見方であり、根拠を確認できていません。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。
この記事に登場するGLYKEN社は、当社の取引先です。政府系機関の訪問も、先方のご紹介によるものです。
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