
ホテルの部屋のドアに、その言葉が書いてありました。
Don’t think. Feel!
考えるな、感じろ。
前日、私は初めてバードハウスに立ちました。
2024年9月18日。7月にショップで話を聞いただけだった私が、ようやく現場に立った日です。
正直に書くと、その日の私は、何も分かっていませんでした。
建物の中は暗く、独特のにおいがあって、天井のほうで音がしていました。説明を受けても、専門用語が半分も入ってきません。ノートは取りましたが、あとで読み返しても意味の分からない断片ばかりでした。
分かったのは、ここは私が想像していたどれとも違う場所だということだけです。
工場ではありませんでした。農場でもありませんでした。かといって、自然のままの洞窟でもない。
その夜、ドアに書いてあった言葉。
宿に戻って、部屋のドアにその一文があるのを見つけました。装飾として書かれていたものです。
Don’t think. Feel!
ブルース・リーの言葉として知られていますが、正確には『燃えよドラゴン』という映画のなかの台詞です。弟子に技を教える場面で出てきます。本人が誰かに向かって言った言葉ではありません。
そこは、はっきり書いておきたいです。ツバメディアは出どころを書く媒体なので、自分のコラムでもそうします。
それでも、その夜の私にはよく効きました。
分からないまま、感じたことだけメモしました。
その晩、私はノートにこう書いています。
「元々、この場所は沼地だった」
「燕は一度に2個卵を産む」
「とにかくエリックさんが、楽しそう。嬉しそう。笑」
専門的なことは何ひとつ書けていません。数字も、工程も、成分も分からない。ただ、その場で自分が受け取ったものだけを書きました。
いま読み返すと、この3行が、そのあとの2年でいちばん役に立ちました。
でも、感じただけで終わらせない。
ここが、この記事でいちばん書きたいところです。
Don’t think. Feel! は、あの日の入口としては正しかったと思います。分からないものを前にして、分かったふりをせずに、まず受け取る。
ただ、そこで止まると、ただの感想になります。
感じたことは、確かめる前の材料です。結論ではありません。
だから、この欄があります。
ツバメディアには、編集部の記事と、この NAVIGATOR の2つがあります。
編集部の記事は、確かめたことを根拠つきで書きます。Think のほうです。
この欄は、Feel のほうです。まだ確かめきれていない実感や、その場で受け取ったもの、間違っていたと分かったこと。そういうものを、一人称で残します。
分けて置いておけば、混ざりません。混ざらなければ、みなさんが自分で判断できます。
2024年9月19日のホテルのドアに書いてあった一文は、いまもこの媒体の設計に残っています。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。
アイキャッチのイラストは、ツバメディア編集部が画像生成AIを使用して制作したものです。実在の場所や品物を撮影した写真ではありません。
POPULAR





