「まず、病院には行かないよ。」
香港で、そう言われました。
体調を崩したら、どうしますか。
日本で育った私の答えは、はっきりしています。ひどければ病院に行く。軽ければ市販薬を飲んで寝る。
香港で聞いた答えは、その手前にもう一段ありました。
まず、食べるものを変える。
体が冷えていると思えば、温めるものを食べる。乾いていると思えば、潤すものを食べる。それでも戻らなければ、そのときに医者へ行く。
順番が違うのです。
燕の巣は、その一段目にありました。
香港で燕の巣がどう扱われているかを見ていて、腑に落ちたことがあります。
薬ではありません。日常の食べものでもありません。その中間にある、体を整えるための食べものという位置づけです。
だから、贈りものになります。だから、体調を崩した人に届けます。だから、値段が高くても続ける人がいます。
日本には、健康食品はありますが、それは「毎日続けるもの」であって、「調子が悪いときに食べるもの」ではない。
ここで、はっきり書いておきます。
私はいま、燕の巣が体に何かをする、という話をしていません。
していないし、できません。燕の巣は食品です。何かに効くという書き方は、ツバメディアではしないと決めています。
私が書いているのは、香港にそういう考え方の順番があるということだけです。文化の話であって、効果の話ではありません。
この2つを混ぜると、途端におかしなことになります。だから分けます。
順番が違うと、見え方が変わる。
この滞在で、私は自分の前提に気づかされました。
私は「効くか効かないか」で食べものを見ていました。香港で聞いたのは「整えるか整えないか」という見方です。
前者は、白黒がつきます。後者は、つきません。
つかないものを、つくように書いてしまうことが、この業界の問題なのだと思います。効くと書いた瞬間に、整えるという話が消える。
私自身、そう書いていました。
だから、産地と歴史を書いています。
ツバメディアが、効能ではなく産地・製法・歴史・文化を書いているのは、
そこにしか、確かめられるものがないからです。
誰がどこでどう採っているか。それは見に行けます。
体にどう働くかは、私には確かめられません。だから書きません。
香港のあの一言は、その線引きを考えるきっかけになりました。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。
アイキャッチのイラストは、ツバメディア編集部が画像生成AIを使用して制作したものです。実在の場所や品物を撮影した写真ではありません。
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