えん[燕]が、えん[縁]を呼び、えん[円]を育てる。
3つの「えん」。
ひとつめの「えん」は、燕です。
この仕事は、鳥から始まっています。私が何かを作ったわけではありません。アナツバメが分泌液で巣を作り、それを人がいただいている。もとになっているものは、最初から自分のものではありませんでした。
ふたつめの「えん」は、縁です。
マレーシアで人に会いました。会った人が別の人を紹介してくれました。その人がまた別の人を紹介してくれました。私がマレーシアでしてきたことは、ほとんどこれだけです。
みっつめの「えん」は、円です。
育てるという字を選んだのは、意図してです。稼ぐ、ではなく、育てる。時間がかかるものとして書きたかったからです。
順番を、入れ替えられません。
この3つは、順番が決まっています。
燕がいて、縁ができて、それを育てて、事業になる。
逆から始めることもできます。数字の目標を立てて、そのために必要な人を探して、その人から必要なものを引き出す。そういうやり方のほうが、早いです。
私も、そちらに引っ張られることがあります。ただ、逆から始めると、いちばん最初の「燕」が視界から消えます。
一隅を照らしている人たち。
「一隅を照らす」という言葉があります。天台宗の言葉として教わりました。自分のいる場所を照らしている人が、国の宝なのだ、という意味だと聞いています。
マレーシアで会った方たちのことを、私はこの言葉で思い出します。
燕の巣の仕事は、目立つ人の集まりではありません。バードハウスを毎朝見に行く人がいます。ピンセットで羽根を一本ずつ取る人がいます。研究室で何年も同じ材料を調べている人がいます。
誰も、自分のことを国宝だとは思っていません。
ジャングルでは、オラン・アスリの方たちが木を切る現場を見ました。あの方たちも、自分の一隅にいました。私はそこに、ほんの数時間いただけです。
いくら売れたか、ではなく。
この回に、私はこう書きました。
いくら売れたかではなく、どれだけのご縁を育てたか。
売れたかどうかは、見ます。事業ですから、見ないと続きません。そのうえで、売れ方を見ます。誰にどう届いて、どう説明されて売れたのか。そこが荒れているなら、売れていても直します。
ツバメディアで、ランキングも他社との比較も書かないのは、この理由です。売れ方が荒れるからです。
この媒体も、縁の側にあります。
ツバメディアには、商品を買うところがありません。
燕の巣という食べ物について、日本語で調べられる場所が、いま、ほとんどありません。あるのは、売るために書かれたものばかりです。私も、そういうものを書いていた一人です。
だから、売らない場所を一つ作りました。
これが円になるかどうかは、正直に言って分かりません。ならないかもしれません。
ただ、順番としては、これで合っています。
DISCLOSURE
このコラムについて
ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。
このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。
アイキャッチのイラストは、ツバメディア編集部が画像生成AIを使用して制作したものです。実在の場所や品物を撮影した写真ではありません。
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