一泊18,000円を「安い」と思った日。

シンガポールの宿を探していて、一泊18,000円を見て「安いな」と思いました。その瞬間、自分の感覚がおかしくな…

執筆編集部

同じ大きさの2つの緑の円。左は大きい円に囲まれ、右は小さい円に囲まれているイラスト

一泊18,000円を見て、「安いな」と思いました。

その瞬間、自分の感覚がおかしくなっていることに気づきました。

シンガポールへ。

2024年7月、私はマレーシアで燕の巣のショップに立ち寄りました。そこで受けた説明が、あまりに良かったのです。

ただ、それだけで終わってしまいました。話を聞いて、感心して、帰ってきた。工場も、産地も、何も見ていません。

だから、9月にもう一度行くことにしました。今度はシンガポールを経由して、陸路でマレーシアに入る計画です。

その準備で、宿を探していました。

画面に、18,000円と出ました。

シンガポールの宿の値段です。一泊18,000円。

私は、こう思いました。

「え?このレベルで18,000円は高い。。。」

思ってから、手が止まりました。

18,000円です。日本で18,000円の宿に泊まるとき、私は「今日はちょっと奮発したな」と思うはずです。それを「安い」と判断した。

感覚が、バグる。

シンガポールの宿泊費は、当時から高いことで知られていました。3万円、4万円という数字を何件も見たあとで18,000円を見れば、そう見えます。

これは、値段の話ではないと思いました。人間の判断は、直前に何を見たかで動くという話です。

自分では、ちゃんと考えて選んだつもりでいます。でも実際には、直前に見た数字が基準になっているだけのことがある。

英語で、こんな皮肉を見かけたのを覚えています。

if only I had an extra zero or two in my bank account.

口座の桁があと1つか2つ多かったらな、と。笑ってしまいましたが、笑ったあとに、さっきの自分を思い出しました。

この癖は、燕の巣にもあります。

いまこの仕事をしていて、あのときのことをよく思い出します。

燕の巣は、高い食べものです。何も知らない状態で値段だけを見れば、驚く方が多いと思います。

でも、いくつかの商品を並べて見ているうちに、感覚は動きます。5万円のものを見たあとに2万円のものを見れば、安く見える。逆も同じです。

そのとき動いているのは、品質の理解ではありません。直前に見た数字です。

私が怖いと思うのは、この動きが自分では見えないことです。あのホテルの画面の前で、私は自分が納得して判断していると思っていました。

だから、値段の話から始めません。

ツバメディアで、私たちは商品の価格を比べません。ランキングも作りません。

理由のひとつが、これです。数字を並べた瞬間に、読む人の基準がこちらの並べ方で決まってしまう。

編集部の記事に「なぜ、燕の巣はこんなに高いのですか。」というものがあります。あそこでも、いくらが妥当かという話はしていません。何にお金がかかっているのかを、分かる範囲で並べているだけです。

高いか安いかは、読んだ方が決めることだと思っています。

その2日後、関西空港から発ちました。

夜のシンガポール中心部の高層ビル群
2024年9月、シンガポール。

結局、その宿を予約しました。「安いほうやん」と思ったまま予約したわけではなく、自分の感覚が動いていることを一度自覚したうえで、それでも他より条件が良かったので選びました。

この渡航で、私は初めてバードハウスに立つことになります。そしてその前日に、もっと分かりやすい失敗をします。

DISCLOSURE

このコラムについて

ツバメディアは、日本伴照株式会社が運営しています。私はその代表取締役であり、リアン株式会社の代表も務めています。2026年9月1日より、株式会社キュアレの代表にも就任しました。中立な第三者ではありません。

このコラムは、客観報道の記事として書いていません。一人称の見聞きとして書き、事実として確かめたことは編集部の記事に分けています。そして、自分が過去に間違えて書いたことは、注を付けて残します。

アイキャッチのイラストは、ツバメディア編集部が画像生成AIを使用して制作したものです。実在の場所や品物を撮影した写真ではありません。

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