だからこの欄をつくりました。私たち自身のことを書く場所です。そしてその1本目に、私たちが「書かない」と決めたことを並べます。
自慢話から始めることもできました。そうしなかったのは、何を書かないかを先に示したほうが、これから書くことの意味が伝わると考えたからです。
1|手元にない資料を根拠にしません
社内には、ある試験機関のレポートに言及した資料が複数あります。ただし、私たちはその現物をまだ確認できていません。
探しています。見つかるまで、そのレポートを根拠とする記述は一行も書きません。「〜という報告がある」という書き方であっても、原本を読んでいないものを書けば、それは伝聞の再生産です。
2|他社の商品を比較しません
「おすすめランキング」も「A社との比較」も作りません。
私たちは燕の巣を売っている会社です。その立場で他社を評価すれば、どれだけ客観的に書いたつもりでも、公正にはなりません。
かわりに書くのは「基準」です。原産国、原料の管理、採取の方法、洗浄、加工、微生物検査、トレーサビリティ、含有量の表示。何を見れば分かるのかを、ひとつずつ説明します。そのものさしを、読者がご自分で他社にも私たちにも当てられるように。
3|効くとは書きません
ツバメの巣は食品です。医薬品ではありません。
ですから、病気が治るとも、予防できるとも、何かが改善するとも書きません。法律がそう定めているからでもありますが、それ以前に、まだ分かっていないことのほうが多いからです。
研究を紹介するときは、必ず「この研究が言っていること/言っていないこと」を並べます。試験管のなかで細胞に起きたことを、人の体で起きることとして書き換えない。ここは譲りません。
では、私たちは何を書くのか。
私たちが伝えたいのは、燕の巣という「もの」だけではありません。その向こう側にあるものまで、できる限り伝えていきたいと思っています。
現地へ行き、人に会います。
マレーシアへ行けば、燕の巣を長年守り続けている人たちがいます。
アナツバメが戻ってくる環境を整える人。
燕の巣を一つひとつ確認し、羽根を取り除く人。
品質を守るために、毎日工場に立つ人。
そして、この産業を次の世代へ残そうとしている人。
そこには、数字や成分表だけでは見えてこない、一人ひとりの仕事と志があります。
「なぜ、この仕事を続けているのか。」
「何を守りたいのか。」
「この産業を、どんな未来へつなぎたいのか。」
私たちは、その声を聞きに行きます。
燕の巣が日本へ届くまでに、どれほど多くの人が関わっているのか。その人たちが何を考え、何を大切にしているのか。商品になった瞬間には見えなくなってしまう物語を、もう一度見えるようにする。それも、ツバメディアの役割だと考えています。
研究している「途中」も伝えます。
燕の巣について、科学的にすべてが解明されているわけではありません。だからこそ、世界では今も研究が続いています。
どんな研究者が、
どんな問いを持ち、
何を調べ、
どこまで分かっていて、
何がまだ分かっていないのか。
私たちは、研究結果だけではなく、研究が生まれていく過程にも目を向けます。論文が発表されたら紹介する。研究者に話を聞く。大学や研究機関を訪ねる。そして、まだ仮説の段階にあることは、仮説として伝える。
期待されていることと、確認されたことを混ぜない。
「分かったこと」だけを並べるのではなく、「いま、何を確かめようとしているのか」まで伝える。
科学は、完成した答えの集まりではありません。分からないことに問いを立て、一つずつ確かめていく営みです。その過程そのものを、できる限り分かりやすくお届けします。
産地と自然について伝えます。
燕の巣について考えるとき、忘れてはいけない存在があります。アナツバメです。
燕の巣は、工場だけでつくることのできるものではありません。自然の中で生きるアナツバメがいて、その生態と環境があって、初めて成り立つ産業です。
だから私たちは、
燕の巣がどこで生まれるのか。
アナツバメはどのように暮らしているのか。
バードハウスはどのように管理されているのか。
産業の発展と自然環境は、どう共存していけるのか。
そうしたことも取材していきます。
人にとって良いだけではなく、自然にとってどうなのか。
その問いからも逃げないメディアでありたいと思っています。
1000年以上続いてきた文化を伝えます。
燕の巣は、最近生まれた健康素材ではありません。長い時間をかけて、アジアのさまざまな地域で食べられ、贈られ、大切にされてきた文化があります。
なぜ、人々は燕の巣を大切にしてきたのでしょう。どんなときに食べてきたのでしょう。
中国、香港、台湾、マレーシア。地域によって、燕の巣との関わり方も異なります。科学だけでは説明できない、人と燕の巣との長い関係も記録していきます。
そして、私たち自身の現場も開いていきます。
ツバメディアを運営する私たちも、この産業の当事者です。だから、自分たちの現場についても書きます。
原料をどう選んでいるのか。
どんな品質検査をしているのか。
研究者と何を話しているのか。
海外で何を見てきたのか。
何に悩み、どんな判断をしたのか。
うまくいったことだけではありません。想定していた結果にならなかったこと。品質について課題が見つかったこと。考え方を変えたこと。可能な限り、そこまでOPENにしていきたいと思っています。
企業である以上、契約や知的財産など、すべてを公開できるわけではありません。それでも、「公開できないから、何も伝えない」ではなく、「公開できるところまで、できる限り伝える」。その姿勢を大切にします。
情報を、閉じない。
燕の巣という産業には、まだ世の中に十分伝わっていない情報があります。
研究者だけが知っていること。
産地の人だけが知っていること。
事業者だけが知っていること。
それぞれの場所に、大切な知識や経験があります。私たちは、それらをできる限りつなぎ、社会へ開いていきたいと考えています。なぜなら、
正しい情報が広がることは、
燕の巣という産業そのものを健全にしていく力になる。
そう考えているからです。知る人が増えれば、選ぶ基準が生まれる。選ぶ基準が生まれれば、品質を大切にする生産者や事業者が評価される。そして、きちんと仕事をする人が評価される産業になれば、自然や産地を守りながら、次の世代へつないでいくことにもつながっていく。
だから私たちは、情報を囲い込むのではなく、できる限りOPENにします。
燕の巣の向こう側まで、伝える。
燕の巣だけを見るのではなく、
燕を見ます。
自然を見ます。
産地を見ます。
人を見ます。
文化を見ます。
科学を見ます。
そして、そのすべてをできる限り自分たちの目で確かめ、記録し、届けていく。
売るためだけではなく、知ってもらうために。自分たちだけのためではなく、この産業に関わる人たちのために。そして、1000年以上続いてきた燕の巣という文化と産業を、これから先へつないでいくために。
私たちは、最高品質だとは言いません。
そのかわり、
どこから来たのか。
誰がつくっているのか。
何を大切にしているのか。
何が分かっていて、何がまだ分からないのか。
できる限り、お見せします。それが、私たちがツバメディアで書いていくことです。
WHAT WE DON’T KNOW YET
まだ分かっていないこと
- ここに挙げた「書かないこと」は、2026年8月時点の判断です。状況が変われば見直します。そのときは、変えた理由もこの欄に書きます。
- 試験レポートの確認など、いくつかは進行中です。結果がどうなるかは、まだ分かりません。
- この方針が読者にとって十分かどうかも、まだ分かりません。ご意見をお寄せください。





